ジュニアスイミング

クロール楽に優雅に泳ぐズルい裏技 小中学生でもできる手抜きの方法

ジュニアスイミング

うれしいことに、私の娘達は4泳法すべてで25m、50mと泳げるようになってきました。ただ、どうしてもクロールがしんどいと言ってました。もちろん、スピードとしては4泳法のうちでクロールが最も速く泳げます。しかしその反面、最も疲れるようです。クロールがもっと楽に泳げたらスイミングスクールがもっと楽しくなるのに、と言ってました。

そこで今回はまず、クロールで長く泳げる人とすぐ疲れる人の違いを説明します。そして次に、楽に長く泳ぐためのちょっとズルい裏技とその練習方法について書きたいと思います。

クロールで長く泳げる人とすぐ疲れる人の違い

1つ目はペースです。特に子供は気分が乗っているときなんかは張り切っちゃうんですね。そして初めに張り切っちゃうと、どんどん疲れてペースが落ちていくんです。マラソンと同じです。うさぎとかめみたいなもんです。長く泳ぐ人は最初から最後までずっと同じペースです。スピードは気にせず、いち、にっ、いち、にっ、というしんどくない程度のリズムを自分で決めます。そしてそれを維持するようにして下さい。

とは言っても、スイミングスクールでは一列に並んでみんな同じペースで泳がされますね。私の娘も、「前の人について行かないといけない。」とか、「後ろの人に抜かされたくない。」とか言ってました。その結果、どうしてもオーバーペースになってしまうのです。もちろん、多少オーバーペース気味でも頑張っていれば体力もついてきます。そしていつの間にか普通について行けるようになるというのもあります。

でも、どうしてもしんどくて、泳ぐこと自体が嫌になってしまうのは残念ですよね。ですから、そんな時に私は言いました。「前の人に離されてもいい。後ろから抜かされてもいい。そんな時はコーチが泳ぐ順番を後ろの方にしてくれるから。遅いのは恥ずかしいことじゃないで。人は人、自分は自分。人のことは気にしなくていいから。遅くても綺麗に長く泳げることもすごいことやで。」と。

2つ目が下半身です。これはトップスイマーも必ず意識するとても大事なことです。下半身が沈むと水の抵抗が大きくなります。すると、ずっとブレーキがかかっている感じになってしまいます。ですから、このブレーキがかからないようにしないといけません。そのためには、お腹に力を入れてちょっとお尻と太ももを上げるようなイメージが大事です。

そして軽くトントンとキックを打ちます。キックは軽くでいいです。強く打とすぐ疲れてしまいます。お尻と太ももを上げるような感じをキープしていると、キックは軽く打つだけで下半身は上がります。うまい人ほど下半身はすごく上がっています。すると水の抵抗が少なくなります。そして楽に進むようになります。

3つ目が呼吸時間です。呼吸は、はく、吸う、止める、のサイクルです。この3つをしっかりできないと長く泳げないです。まずしっかりと息をはくことができないと、吸うことができません。長く泳ぐことができない人の多くは、しっかりとはけてない人が多いです。しっかりと鼻から鼻をかむ感じで、フンッ、と鼻から息を吐きます。

次に息継ぎです。息継ぎでは、ついつい息を吸うことばかりに意識が向きます。しかし息を吸う前にしっかりとはくことができていなければなりません。しっかりとはけていない状態で息継ぎをしても、新しい空気をあまり吸えません。ですから、どんどん苦しくなっていくのです。そして息継ぎは出来るだけ短時間で済まして、すぐに息を止めます。ここで肺に空気がたまり、体が浮くのです。

この体が浮きやすい状態が最も楽に進みやすい状態です。この状態を長くすればするほど、進みやすくなるわけです。長く止めてたらしんどいかなと思うかもしれません。しかし実際には数秒程度ですので、しっかりと吸えていれば結構大丈夫です。しっかりと吸うためにも、しっかりとはくことがとても重要なのです。

ついつい息を吸うことばかりに意識が向きますが、実は、はく、止める、の方を意識することがとても大切です。

クロールで疲れないためのコツ

手を前に伸ばす

では、疲れないための具体的なテクニックを紹介します。まず1つめは、手を前に回して入水させたときにグーッと手を前に伸ばすことです。前に伸ばすというのが分からない、できない、という人もいるかもしれません。そんな人は、少し我慢して待つ、という感じでも構いません。こうすると自然とゆっくりとしたリズムになります。ゆっくりでいいのです。この際、速く泳ぐということは忘れて下さい。

手をグーッと前に伸ばし、すぐにかこうとせず少しそのまま我慢します。すると自然と体が半身になりローリングしていきます。上手くローリングできると、顔も水面に出しやすくなります。そして息継ぎもしやすくなります。この状態で、息継ぎの、はく、止める、をしっかりと意識して、ゆっくりと一定のリズムを保ちます。

キックは打たない

そして2つ目はキックです。キックはあんまり打たないようにしてください。打てば打つほど酸素をいっぱい消費します。足の周り、特にお尻や太ももには大きな筋肉があります。つまり、ここを動かせば動かすほど、どんどん体力を消耗してしまうのです。ですから、足が沈んできたな、と思ったら軽くトントンとキックするぐらいのイメージで構わないのです。

スイミングスクールではしっかりとキックすように教えられるでしょう。ですが、速さを求めずゆっくりと楽に泳ぐだけであれば、キックは進むためではなく下半身を沈めないためだけに使うぐらいでもいいのです。こうして手抜き(?)して、ゆっくりと大きく優雅に泳ぐんだというイメージで泳いでみて下さい。

おすすめの練習方法

1つ目がサイドキックです。これは、「クロールで左右両方での息継ぎに挑戦してみよう!」でも紹介しましたが、クロールではとても大事です。クロールは、ずっとまっすぐうつ伏せになっているわけではありません。左右に傾いてローリングしています。特に息継ぎの時は顔だけを横に向けるのではなく、体全体を横に向けて息を吸います。

この息継ぎの時が最も体が沈みやすい状態になっています。ここでキックを打って下半身を浮かせるのです。そのためのドリル練習にサイドキックが非常に有効なのです。サイドキックでは思い切って体がクルッとひっくり返ってしまう手前まで横に向けてしまってください。横を向けば向くほど、息継ぎが余裕をもって楽にできます。そしてこれができると、息継ぎの時に体が沈まなくなります。

次に片手クロールを練習して下さい。これも、「クロールで左右両方での息継ぎに挑戦してみよう!」で紹介しましたが、サイドキックをやった後に片手クロール、のセットでやることがとても大事です。サイドキックを意識ながら、そのまま片手クロールを練習します。すると呼吸する時にサイドキックの効果が出てきますので、息継ぎがとても楽にできるようになります。

そしてさらに楽をするために、片手クロールで体が沈みやすい時だけ、つまり息継ぎの時だけキックを打ちます。その後、両手を前に揃えた時にキックを打たず、そのまま1、2、と伏し浮きのまま休憩してみてください。何もしなくても惰性で進みます。それからまた手をかき始めます。これで、体が沈みそうなときだけキックを打ち、それ以外の時は足を休ませる感覚を掴めめます。

まとめ

以上、クロールで楽に長く泳ぐための方法について書きました。さらにもう一言付け加えるとすれば、あまり完璧を目指さないでもいいですよ、ということです。手のかき方はこう、キックの仕方はこう、と言い出せばキリがありません。ですから、6~7割程度できたらOK、ぐらいの感じで気楽にやって下さい。それよりもゆったりと楽に、という方に意識を向けて下さい。

スイミングスクールでは昇級テストで基準タイムをクリアすることが求められます。どうしても一生懸命手をかいてキックを打ってしまいますね。ですが、一旦、スピードは忘れてしまって下さい。とにかく、ゆっくりと楽に優雅に、というイメージです。私の娘達にもできるだけゆっくりと泳ぐように言ってみたところ、それがなかなかできないようでした。

「キックを打たないなんてズルい!」「スイミングスクールではそんな泳ぎ方できない!」と言われるかもしれません。ですが、これができている状態は最小限のキックで体を浮かせることができているということです。逆に、最小限のキックで体を浮かせることができていないと、常に懸命にキックしていないと体が沈んでしまうのです。

最小限のキックでゆっくり泳げたら、その状態からキックを増やし、テンポを上げて見て下さい。すると、以前よりずっと楽に速く泳げていることに気が付くと思います。是非、試してみて下さいね。

 

 

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